■接骨院の開業資金調達方法

接骨院を開業するには500万円~1,500万円程度の資金が必要になることが一般的です。自己資金だけでは足りない場合、融資や補助金などを活用して資金を調達する必要があります。以下に、主な資金調達方法を紹介します。

 

【1】自己資金

メリット

  • 返済不要でリスクが低い
  • 融資審査で有利(自己資金割合が多いと審査に通りやすい)

デメリット

  • まとまった金額を準備するのが難しい
  • 開業後の運転資金が不足する可能性

💡 融資を受ける場合、自己資金が全体の30%以上あると審査が有利になるとされています。

 

【2】日本政策金融公庫の融資

「新創業融資制度」

日本政策金融公庫(政府系金融機関)が提供する無担保・無保証人の融資制度。

  • 融資額:最大3,000万円(うち運転資金は1,500万円まで)
  • 金利:1.0~2.5%程度(信用状況により変動)
  • 返済期間:設備資金は最長20年、運転資金は最長7年
  • 審査のポイント
    • 自己資金(最低でも総資金の10%以上推奨)
    • 事業計画の具体性(収支計画、ターゲット設定)
    • 過去の借入履歴(信用情報に問題がないか)

メリット

  • 民間銀行より審査が通りやすい
  • 創業時でも融資を受けやすい
  • 固定金利で安心

デメリット

  • 事業計画書の作成が必須
  • 融資実行まで1ヶ月以上かかる場合がある

💡 柔道整復師の資格があり、接骨院での実務経験があれば審査で有利になる。

 

【3】銀行・信用金庫の融資

民間の銀行や信用金庫からの融資も選択肢になります。

  • 融資額:300万円~1,000万円(事業計画次第)
  • 金利:2~5%(日本政策金融公庫より高め)
  • 担保・保証人:必要な場合が多い
  • 融資の種類
    • プロパー融資(銀行が単独で貸す)→審査が厳しい
    • 信用保証協会付き融資(保証協会が保証)→比較的通りやすい

メリット

  • 借入額が大きくなりやすい
  • 取引実績を作れば追加融資も可能

デメリット

  • 日本政策金融公庫より審査が厳しい
  • 保証人・担保が必要なことが多い

💡 信用金庫は地域密着型なので、接骨院の開業地の信用金庫に相談すると好条件で借りられる可能性あり。

 

【4】補助金・助成金の活用

返済不要の補助金・助成金も活用できます。

主な補助金

  • 小規模事業者持続化補助金
    • 最大200万円(補助率2/3)
    • 広告宣伝費、設備投資に使える
    • 開業前でも申請可能
  • 創業支援助成金(地域ごとに異なる)
    • 東京都・大阪府などでは創業助成金制度あり
    • 例)東京都の場合、最大300万円

💡 補助金は審査があり、後払い(自己資金で立て替えが必要)なので、資金計画に注意。

 

【5】親族・知人からの借入

  • 親族や知人から低金利または無利子で借りる方法
  • 金融機関より融資が通りやすい
  • 契約書を作成し、金銭トラブルを防ぐことが重要

メリット

  • 審査不要
  • 低金利、柔軟な返済計画が可能

デメリット

  • 関係悪化のリスク
  • 大きな金額は期待しにくい

 

【6】クラウドファンディング

  • 「CAMPFIRE」「Makuake」などのクラウドファンディングを活用
  • 地域密着型の接骨院であれば、地域住民から支援を受けられる可能性あり
  • 支援者にはリターン(無料施術券など)を用意する

メリット

  • 宣伝・集客を兼ねられる
  • 資金調達だけでなく、地域の支持を得やすい

デメリット

  • 必ず成功するとは限らない
  • プロジェクト設計やPRが必要

 

【7】リース・ローンを活用(設備資金向け)

  • 治療機器やベッドはリースで導入
  • 初期費用を抑えつつ、月々の支払いに分散可能
  • ただし、総額は購入より高くなることも

 

★まとめ(資金調達の組み合わせ例)

資金調達方法 目安金額 主な用途
自己資金 100万~500万円 初期費用の一部、審査対策
日本政策金融公庫 500万~1,000万円 設備費、運転資金
銀行融資 300万~1,000万円 追加資金調達
補助金・助成金 100万~300万円 広告、設備投資
親族・知人からの借入 ~300万円 運転資金
クラウドファンディング ~100万円 宣伝・集客資金

💡 おすすめの組み合わせ

  • 自己資金 + 日本政策金融公庫の融資 + 補助金
  • 銀行融資 + リース活用で初期投資を抑える