柔道整復師が労災(業務災害・通勤災害)を取り扱う際の基本的な流れと必要書類を以下にまとめます。
労災指定を受けていない接骨院でも取り扱いは可能ですが、特に書類不備・事務対応ミスがあると支給が遅れるので慎重に対応する必要があります。
🔷 1. 初期対応:患者から労災申請の意向を確認
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負傷原因が「仕事中」「通勤中」であれば、労災の可能性あり
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患者に会社への報告・確認を促す(必要であれば書き方なども助言)
 
🔷 2. 使用する労災請求書の種類を確認(患者区分)
| 状況 | 使用書類 | 
|---|---|
| 業務災害で柔道整復施術を受ける | 様式第7号(柔道整復師用) | 
| 通勤災害で柔道整復施術を受ける | 様式第16号の5(柔道整復師用) | 
🔷 3. 書類の記入・署名捺印(柔道整復師と患者)
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柔道整復師記入欄:
施術部位、施術内容、経過見込み、受傷状況の概要など - 
患者記入欄(事業主提出部分):
会社名・業務内容・発生状況など(勤務先が記入する場合も) 
🔷 4. 提出方法と送付先(原則は労基署へ患者または事業者が提出)
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書類原本は患者から事業主 → 労働基準監督署へ提出
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柔道整復師は、控え(写し)を必ず保管しておく
 
🔷 5. 支給決定後、療養費の請求
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労災の認定後、接骨院が支給決定内容に基づいて請求
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実際の療養費(施術報酬)は、労働者健康安全機構から振込
 
🔷 6. 請求時の注意点
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保険者(健康保険)には請求しない(労災との二重請求は不可)
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初回施術日・施術期間・部位の整合性を保つ
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施術録(カルテ)の整備が必須(監査時に確認される)
 
📄 添付書類・提出物まとめ
| 書類名 | 内容 | 
|---|---|
| 労災請求書(様式7号または16号の5) | 柔道整復師用のメイン請求書 | 
| 施術録の写し(求められた場合) | 経過・内容を記録したカルテの写し | 
| 同意書(必要に応じて) | 保険者・患者からの確認書類 | 
📌 その他の注意点
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柔道整復師が労災指定施術所でなくても、労災の取り扱いは可能(ただし患者・会社の理解が必要)
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医師の紹介や診断書が必要なケースあり(例:複雑骨折など)
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電話での照会には「受領委任取扱」など専門用語で説明できると信頼性が高い
 
📚 ダウンロードできる書式リンク(厚労省サイト)
📌 院内での掲示や対応チェックリスト(例)
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✅ 労災の取り扱い可能であることを掲示している
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✅ 労災様式の記入見本を院内に保管
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✅ 労災事務の相談担当者を決めてある(院長・受付など)
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✅ 患者に渡す案内用紙あり(任意)